塩ビ(PVC)シートについて
ハイビックスの加工で使われる代表的な材料の1つがポリ塩化ビニル(塩ビ・PVC)シートです。
材料の特徴や加工技術との組み合わせについてご説明します。
材料の特徴
ポリ塩化ビニル(塩ビ・PVC)は、ビニールや塩ビという名称で呼ばれています。プラスチック素材の中でも特に加工性に優れ、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)などとともに5大汎用プラスチックとして日常で最も使用されている素材の1つです。
PVCには強度や対候性に優れるという特性から塩ビ管などの硬質な製品に使われるものや(硬質塩ビ)、レジャー用の浮き輪やバッグ・デスクマットといった柔らかい製品の素材(軟質塩ビ)としても使用されており、弊社はこの軟質塩ビにあたるシートを使って加工しています。
塩ビシートは加工性が良いことから、透明・半透明・色付・蛍光と色のバリエーションが多く、防炎・耐電・抗菌・印刷性などの機能性を兼ね備えたシートとあります。こうしたシートを様々なメーカーが汎用品(規格品)として販売されています。
最近では新型コロナウィルス感染防止として、飲食店等のレジ前に透明性のシートで仕切りをされるケースが増えました。全てが塩ビシートではないですが、設置する場所によって厚みや重さを考慮して塩ビシートを使われるお店も見受けられます。これは素材が汎用品としてすぐ購入し使用できることや、材料の透明性、また最近各メーカーが開発した「抗ウィルス性」を兼ね備えた塩ビシートの特徴を生かした扱いやすさの事例といえるかもしれません。
高周波ウェルダーで加工できる
ハイビックスでは「高周波ウェルダー(溶着)」をおこなっていますが、溶着に必要な熱源に特徴があるため材料が限定される加工方法でもあります。
絶縁体に高周波を流し、材料の分子運動による摩擦熱で溶着する内部発熱を利用した接着方法ですが、溶着の条件に見合うだけ分子が反応するかどうかで、溶着ができるか、できないかが決まってきます。
代表的なプラスチックの内、ポリプロピレン・ポリエチレンなどは分子の反応が弱い、もしくは反応しないため溶着できませんが、塩ビは高周波溶着が可能な素材です。
こうした素材と加工技術の相性の良さを生かして、製品が作られています。
豊富な実績と加工の経験
弊社は会社が岐阜県にあることを生かして、元々は和紙に油を塗って雨合羽の製造を行っていました。技術の進化によって防水機能は紙からプラスチックへと移り、プラスチック成型技術の高周波溶着加工へと当社の業態も変化し、現在創業70年になりますが、溶着加工を一筋に行っています。
代表的な事例として塩ビシートを使用した、溶着による高い密閉性をもった空気製品を作ることは、材料の選定から形状のご提案ができる弊社の強みのひとつです。
例えば空気製品を開発する上で注意しているものに「材料の柔らかさと粘り強さ」があります。
材料の固さは硬度で決まり、粘りは材料メーカーとの協議によって配合を設定します。適した材料を使わないと、空気の膨らみに形が追従せずに破損に至る、或いは空気圧による多方向への応力に耐えられず破壊されるなどの問題が発生します。
材料の選定と合わせて、溶着方法や形状のご提案をすることで、お客様に納得いただく製品を作り続けています。
その他に弊社では、ウレタンシートを使用した空気製品のご提案もしています。塩ビシートと比較しどのように使い分けているかは下記リンクの「PU(ウレタン)シートについて」にて説明しますのでよろしければご覧ください。
会社HP内にある材料についての紹介ページです。
溶着できる材料について
ウレタン(PU)シートのコラムです。
ウレタン(PU)シートについて